立冬(りっとう)

~11月7日から11月21日~


暦の上での冬の始まり。木枯らしが吹き、葉を落としてゆきます。七五三の時期でもあり、晴れ着の子どもたちの姿も、秋の風物詩の一つ。今のように、子どもがあたり前のように成人を迎えられなかった昔。健康に育ってほしいと願っての七五三。そんな思いの行事であることも心にとめておきたいですね。
初候「山茶始開(つばきはじめてひらく)」
次候「地始凍(ちはじめてこおる)」
末候「金盞香(きんせんかさく)」

奈良町にぎわいの家・オリジナル二十四節気短歌

・霜降の歌

高き枝に木守柿ひとつ立冬の傾くひかりに火照りてゐたり   喜夛隆子(歌人・ヤママユ編集委員)
柿の木の一番高い枝。葉も実も落ちて、一つ残っているのが「木守柿」(こもりがき)。来年もよく実るようにと、木の先端に残しておくのが「木守柿」。その朱色の柿が、立冬の低い夕日に火照っている。立冬の傾く陽に対して、「木守柿」の鮮烈な火照りの色に、冬の空気感がきわだつお歌です。