雨水(うすい)

~2月19日から3月5日~

雪も雨に変わるころ。氷も溶けて、雪の下の土が顔を出します。昔から、農耕の準備は、この「雨水」を目安に始めたそうです。まだ寒い日が続きますが、三寒四温を繰り返しながら、春へと向かっていきます。


・初候 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
・次候 霞始靆 (かすみはじめてたなびく)
・末候 草木萠動(そうもくめばえいずる)

奈良町にぎわいの家・オリジナル二十四節気短歌

・立春の歌

山際のそら夕茜いつしかに霙(みぞれ)は雨に雨もあがりて

喜夛隆子(歌人・ヤママユ編集委員)

山に沈む夕日、山と空の間が茜色に染まっている。寒さで茜色がきわだつ夕空。いつしか、霙(みぞれ)は雨になり、そのうちに、雨もあがっていった…。
少しずつ春へと向かう「雨水」の気配。「雨」の繰り返しが、少しずつ温くなる空気感を見事にあらわしています。結句を晴れやかに声にしたいお歌です。