小満 (しょうまん)

~5月21日から6月5日~

緑がいよいよ濃くなり、自然の生長の気に満ちる季節。紅花が咲き、麦が実り、時に走り梅雨も。 

・初候…蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
・次候…紅花栄(べにばなさかう) 
・末候…麦秋至(むぎのときいたる)

奈良町にぎわいの家・オリジナル二十四節気短歌

・小満の歌

小満の木々のかげ濃しそこに遊ぶ鹿の親子も人の親子も  喜夛隆子(歌人・ヤママユ)
 
緑の匂いに満ち、生きものの成長が著しい小満のころ、木々の緑も濃く、木陰も濃い、その緑の木陰に、鹿の親子が遊び、人の親子の姿もある。木陰の涼しさの中に、鹿も人も、親子で遊ぶ風景。自然の生長の熱気は、若い力に満ちた、子どものの姿にも重なる。奈良ならではの、鹿も人もと歌った、温かいまなざしに満ちたお歌です。
 

喜夛隆子 歌人。ヤママユ所属。吉野出身の日本を代表する歌人、故、前登志夫の歌弟子としてその実力には定評がある。歌集に『国原の地図』他。最新歌集『柿の消えた空』(角川書店)には、奈良町にぎわいの家のために作った節気短歌、24首も所収。民俗も研究し著作に『フォークロアの畦道』などがある。